研究課題/領域番号 |
26670382
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
東 健 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60221040)
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研究分担者 |
有坂 好史 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50319539)
沖野 晃俊 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (60262276)
森田 圭紀 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (60420460)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 大気圧低温プラズマ / プラズマ水 / 医療機器 / 殺菌 |
研究実績の概要 |
我々は、特定のガスだけでなく、各種のガスや様々な混合ガスを自由に大気圧プラズマ化できるマルチガスプラズマを開発してきた。さらに、プラズマの医療分野への応用に必須である、温度を自由かつ精密に制御できるプラズマ装置の開発に世界で初めて成功した。そこで、本研究では、これまで考慮されてきたプラズマの殺菌効果を基に、大気圧低温プラズマの内視鏡下の医療応用を目的として、大気圧低温プラズマの殺菌効果の温度・ガス条件設定、大気圧低温プラズマの内視鏡利用に対するデバイス開発、生体ブタ胆管・膵管閉塞疾患モデルを用いた大気圧プラズマの胆管、膵管及び肝、膵組織への影響を検討することとした。今年度は、プラズマの内視鏡下の治療応用のために、プラズマ水作製装置と、プラズマ水の殺菌効果を検討した。プラズマが殺菌効果を持つことは以前から知られており,多くの研究が実施されてきた。プラズマを水に照射すると,殺菌成分であるラジカルを水中に導入でき,殺菌能力を持つプラズマ水を生成できることが明らかになっている。しかし,従来の研究では,1分間に数10マイクロリットル程度しか生成できないという問題があった。これに対し,我々は1分間に1リットル以上のプラズマ水を製造する手法を開発した。酸素プラズマを使用した場合,1ミリリットルのプラズマ水で、6桁以上の大腸菌を殺菌する事が証明された。芽胞形成菌や,水虫菌に対する殺菌能力も確認することが出来た。さらに,この殺菌能力は一重項酸素とヒドロキシラジカルによるものであることを明らかにすることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プラズマ水作製装置の試作機も出来、プラズマ水の殺菌効果も証明することが出来、ほぼ今年度の目的を達成したと考える。
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今後の研究の推進方策 |
プラズマ水作製装置は順調に作製されてきている。今後、医用応用のために、化膿性細胆管炎、化膿性膵嚢胞の症例から、臨床サンプルを採取し、臨床的効果を実証することを進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
殺菌作用の条件検討に時間を要したため。
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次年度使用額の使用計画 |
医用応用という目的を達成するため、各種病原菌の殺菌効果の証明実験に使用する予定である。
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