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2015 年度 実績報告書

ヒトiPS細胞を用いた消化管前駆細胞の純化・増幅およびそれを用いた再生医療基盤

研究課題

研究課題/領域番号 26670384
研究機関東京工業大学

研究代表者

粂 昭苑  東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授 (70347011)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード多能性幹細胞 / 腸細胞 / 分化誘導
研究実績の概要

本研究において、まずは分化誘導方法の改良から着手した。内胚葉分化誘導時にDimethyl sulfoxide(DMSO)を添加する方法により、アクチビンの濃度を従来の100ng/mlより、6.25ng/mlまで低くすることが出来ることを見出した。DMSOによるアクチビンの分化促進の分子機序について詳細に調べた結果、DMSOは、アクチビンの閾値の濃度を低下させる作用があることが分かった。DMSO存在下では、低い濃度のアクチビンにおいて、その下流のSmad2のリン酸化を引き起こすことが出来る。さらに、DMSO存在下では、アクチビンによって分化誘導された細胞がM期からG1期へと向かわせることが出来、その結果より分化傾向にさせることが出来ると考えられる。DMSOをアクチビンによる内胚葉分化時に加える方法を取り入れることで、コストの低減のみでなく、腸への分化誘導の時間短縮にも繋がった(Ogaki S et al., Scientific Reports., 2015)。さらに、ある種の細胞外基質を使うことにより、セルソータを使わずに腸前駆細胞を純化できることを見出した(Otera et al, unpublished)。また、得られた細胞について、成長増殖因子を検討した結果、試験管内において、腸前駆細胞を増幅できる方法を見出した。さらに、化合物を添加することによる成熟化を図ることが出来るようになった。これらの方法を組み合わせることにより、成熟度の高い細胞をある程度たくさん得られるようになり、移植する細胞源が確保できるようになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] A cost effective system for differentiation of intestinal epithelium from human induced pluripotent stem cells.2015

    • 著者名/発表者名
      Ogaki S, Morooka M, Otera K and Kume S.
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 5 ページ: 17297

    • DOI

      10.1038/srep17297

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 「ES/iPS細胞からの内胚葉組織形成」2015

    • 著者名/発表者名
      大垣総一郎 粂昭苑
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 87 ページ: 573-581

  • [学会発表] 多能性幹細胞を用いた消化器官の分化誘導研究2015

    • 著者名/発表者名
      粂昭苑
    • 学会等名
      第4回細胞治療研究会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2015-10-31
    • 招待講演
  • [学会発表] iPS細胞を用いた再生医療2015

    • 著者名/発表者名
      粂昭苑
    • 学会等名
      第27回福岡糖尿病アゴラ
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2015-04-18
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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