研究課題
がん診療において,末梢血液を用いてがん細胞やそれに由来する蛋白や核酸を高感度で迅速に測定することが可能であれば,がんの診断や治療効果のモニタリングに大変有用である.これまで用いられてきている腫瘍マーカーの速的,循環腫瘍細胞の検出,がん細胞由来の核酸の検出法は特異性や検出感度の問題などから未だ十分な成果をもたらしていない.申請者らは膵癌の診断に汎用されている腫瘍マーカーの合成酵素に着目し,糖鎖関連分子が新たながMRD検出法になると考え本研究をP計画した.本年度はこれまでのpreliminaryな解析結果から,症例の蓄積と検体収集をおこない,数例の症例数が確保できた時点でフコース転移酵素関連分子の解析をおこなった.具体的には申請者らが見出した悪性腫瘍の増殖,転移を促進するフコース転移酵素の発現を膵癌組織検体を用いてRT-PCRで解析した.また同一患者からの血清を用いて同関連分子の遊離核酸発現をdigital PCRで検討した.症例数は十分ではないが,RT-PCRと血清中の遊離核酸PCR (所謂liquid biopsy)の相関が得られる可能性が高く,検体収集を引き続き実施していく予定である.
2: おおむね順調に進展している
解析法の基礎検討並びに条件設定などはほぼ確定し順調に進んでいる.一方で,患者検体の収集は十分とは言えないため,引き続き検体採取に努め,解析を進める.
当教室関連施設(診療施設)の協力体制を強化し紹介患者を増加させるとともに,院内関連診療科との連携も強化し検体収集をさらに進める.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
Hepatology
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1002/hep.27774.
Cancer Chemother Pharmacol.
巻: 75 ページ: 587-594
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Gastric Cancer
10.1007/s10120-014-0454-z