研究課題/領域番号 |
26670387
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
奥瀬 千晃 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00318940)
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研究分担者 |
山本 博幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (40332910)
伊東 文生 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90223180)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / Sorafenib / 治療効果予測 / DNAメチル化 / VEGFR / PDGFR / pyrosequencing |
研究実績の概要 |
肝細胞癌においてはRaf-1 シグナル伝達経路とVEGFシグナル伝達経路が重要な役割を担うが、Sorafenib治療に対して30-40%の無効例が認められる。治療効果予測因子の確立により、効果的な患者選択と治療遂行が可能となるが、現状ではSorafenibの治療効果予測に有用な指標は存在しない。本研究では、Sorafenibの治療効果予測因子確立を目的として、研究を行った。 末梢血中遊離DNAと肝細胞癌組織におけるVEGFRとPDGFRのメチル化の検出、相関の検討にあたり、まず肝癌細胞株DNAを用いて実験条件の至適化を行った。DNAを抽出後、Epitecktによりbisulfite 処理を施した。各遺伝子プロモーター領域に特異的なbiotinated-primerを用いて、サンプルDNAをビオチン化させPCR増幅しpyrosequencing解析を行った。Primerの再設計を含め、一連の実験条件の至適化に成功した。また、末梢血からのDNA抽出の実験条件の至適化に成功した。 腫瘍組織での検討では、パラフィン切片から腫瘍部のみを、脱パラフィン処理後にlaser microdissection and pressure catapulting (LMPC)システムを用いて採取した。得られた腫瘍部切片から、質および量の点で、pyrosequencing解析に利用可能なDNAを抽出する条件の至適化に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
pyrosequencing法を用いたVEGFRとPDGFRの定量的メチル化の検出および末梢血からのDNA抽出の実験条件の至適化に成功した。次年度につながる成果であり、研究は順調に進展している。 また、腫瘍組織での検討では、LMPCシステムを用いて、pyrosequencing解析に利用可能なDNAを抽出する条件の至適化に成功した。従って、研究計画通り、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
順調に進展した26年度に引き続き、27年度も研究計画に基づき、研究を推し進め、末梢血中遊離DNAと肝細胞癌組織におけるVEGFRとPDGFRのメチル化の検出、相関の検討などを進めていく。また、各研究項目の連携を強化し、研究全体の推進をはかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度は、所有している試薬消耗品を使用して研究を開始し、途中、有望な研究成果を得る事ができ、その後も研究は順調に進展した。加えて、26年度の研究成果に伴い、27年度の試薬消耗品にかかる費用が当初予算を上回ることが予想されたため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度は、研究項目が多岐にわたるため、繰り越し分を含め、主に試薬消耗品購入に使用する。
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