肝細胞癌は、原発性肝腫瘍の中で最も多い予後不良な癌である。マルチキナーゼ阻害薬であるソラフェニブは、肝細胞癌に用いられる分子標的治療薬である。ソラフェニブは、RAS/RAF/MAPKシグナル経路やVEGFR、PDGFRのチロシンキナーゼ活性を阻害し、腫瘍細胞増殖・血管新生抑制作用を示す。肝細胞癌細胞株や組織においてVEGFR1~3とPDGFR遺伝子のDNAメチル化を明らかにした。また末梢血中遊離DNAを用いて同様の解析をすることができた。肝細胞癌患者由来の末梢血中遊離DNAを用いたメチル化検出が、ソラフェニブの効果予測バイオマーカーになる可能性があり、その基盤的成果を得た。
|