研究課題/領域番号 |
26670389
|
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
山本 博幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (40332910)
|
研究分担者 |
渡邊 嘉行 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90329243)
伊東 文生 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90223180)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | HPV / 食道癌 / ゲノム / エピゲノム / オミクス解析 |
研究実績の概要 |
食道癌は現在も減少しておらずその発生機序の解明は重要な課題である。ヒトパピローマウイルス(human papilloma virus: HPV)の役割を明らかにすることを目的として研究を行った。抗HPV(16/18-E6等)抗体を用いた免疫染色、HPV(16/18)DNAプローブ等を用いたISHの基礎的研究を行った。リアルタイムPCR(HPV-16、18、58それぞれのE2およびE6/7)の結果よりviral load(copies/cell)、E2とE6/7比からphysical status(integration、mixed、episomal)を判定できる系の確立を進めた。また、HPV L1遺伝子増幅用プライマーMy09/11あるいはGP5+/6+を用いたPCR解析の至適化に成功した。さらに、HPV型特異的プライマー例えば、HPV18増幅用にHPV18 E6あるいはHPV18 E6-E7を用いたPCR解析の至適化に成功した。また、APOT assayにより、HPV mRNAの検出ならびにそれが、episome由来か組み込み由来かを鑑別できる系の基礎的検討を行った。 HPV関連食道癌の遺伝子異常の次世代統合オミクス解析を行った。遺伝子変異解析として、MassARRAYシステムやIon PGMシークエンサーを用いて多サンプルの多領域を同時にスクリーニングする系の確立を行った。DNAメチル化解析として、MCA microarray等による網羅的解析とともにbisulfite-pyrosequence解析の条件設定を行った。エピゲノム異常の解析として、高速次世代シーケンサーを用いたMCAシークエンス法の基礎実験を行った。マイクロRNA異常の解析として、microarrayを用いた網羅的な解析とともにTaqMan qPCRの基礎実験を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食道癌におけるHPVの関わりに関する基礎実験では、種々の解析法においてそれぞれ実験条件の至適化に成功した。次年度につながる成果であり、研究は順調に進展している。 また、HPV関連食道癌の遺伝子異常の次世代統合オミクス解析では、それぞれのオミクス解析において網羅的解析および個々のPCR解析などの実験条件の至適化に成功した。従って、研究計画通り、順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
順調に進展した26年度に引き続き、27年度も研究計画に基づき、研究を推し進めていく。食道癌におけるHPVの関わりに関する実験の継続、応用に加えて、HPV DNAのヒトゲノムへの組み込み解析へと研究を進めていく。 また、HPV関連食道癌の遺伝子異常の次世代統合オミクス解析を進め、前記の研究項目との連携を強化し、研究全体の推進をはかる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
26年度は、所有している試薬消耗品を使用して研究を開始し、途中、有望な研究成果を得る事ができ、その後も研究は順調に進展した。加えて、26年度の研究成果に伴い、27年度の試薬消耗品にかかる費用が当初予算を上回ることが予想されたため、27年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
27年度は、研究項目が多岐にわたるため、繰り越し分を含め、試薬消耗品購入に使用する。
|