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2014 年度 実績報告書

心疾患における細胞時計・炎症制御プログラムの連携機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 26670393
研究機関東京大学

研究代表者

眞鍋 一郎  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70359628)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2015-03-31
キーワード慢性炎症 / マクロファージ / 心不全
研究実績の概要

慢性炎症は生活習慣病に共通した基盤病態である。これまでの研究によって、生活習慣病の慢性炎症プロセスにおいて、マクロファージが極めて多機能なエフェクター細胞として、時間・空間的にその機能をダイナミックに変化させ、病態形成に中心的な役割を果たすことを見いだした。例えば、腎臓において病態初期に集積するM1マクロファージは、炎症や組織破壊を推進するが、遅れて誘導されるM2マクロファージは、線維化を進めるとともに、炎症を収束させる。マクロファージの急性期応答については、詳細な分子機序が明らかにされているが、より長い時間相で生じる変化の制御機構はよく分かっていない。本研究では、長時間相におけるマクロファージの機能変化が、細胞時計と炎症制御プログラムのリンクによってもたらされると考え、その分子機序を明らかにすることを目的として検討を進めた。
まず培養マクロファージを刺激した際に時計遺伝子群の発現が変動することを見いだした。興味深いことにマクロファージの血清刺激とLPS刺激では時計遺伝子の律動が異なり、また、LPSによるシグナルが時計遺伝子群の発現律動に影響を与えることから、時計遺伝子による細胞時計の制御と炎症応答のシグナル機序の間に相互作用が存在することが示唆された。
さらにChIP-seq法によりBmal1の結合領域をゲノムワイドで検討したところ、時計遺伝子に加えて多数の代謝関連遺伝子と炎症関連遺伝子の制御領域に結合していることを見いだした。その結合領域はマクロファージのマスター転写因子であるPU.1との重なりが多く、マクロファージにおいては、マクロファージ特有の転写プログラムとBmal1とが相互作用している可能性が示唆された。以上の結果から、マクロファージでは細胞時計と炎症応答のプログラムが密接に連結していると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [学会発表] Regulation of macrophage function in cardiac adaptive and maladaptive response to stress2015

    • 著者名/発表者名
      Manabe I
    • 学会等名
      Molecular Clock 2015
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2015-03-27
    • 招待講演
  • [学会発表] Immunometabolic regulation of cardiometabolic disease2014

    • 著者名/発表者名
      Manabe I
    • 学会等名
      The 43rd Annual Meeting of The Japanese Society for Immunology
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2014-12-11
    • 招待講演
  • [学会発表] 代謝異常と自然炎症2014

    • 著者名/発表者名
      真鍋一郎
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2014-10-16
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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