研究課題
本研究は動脈硬化を引き起こすmiRNAをin vitroの系を用いて網羅的に探索し、最新のゲノム編集技術及びコンディショナルノックアウトマウスを作成することで、そのmiRNAの動脈硬化に与える影響を評価することが目的である。申請者らはこれまでに、TNF (Tumor Necrosis Factor)-αを血管内皮細胞に作用させるとVCAM (Vascular Cell Adhesion Molecule)-1、ICAM (Intercellular Adhesion Molecule)-1、E-selectinなどの発現が上昇し、動脈硬化に繋がる単球接着を惹起するメカニズムについて研究を重ねてきた。平成26年度は、HUVECs (Human Umbilical Vein Endothelial Cells)にTNF刺激を行った際のmiRNAアレイを行った。その結果、有意に変動するmiRNAをいくつか抽出し、その中の一つに関してノックダウン及び過剰発現実験により、VCAM1のみならずICAM1、E-selectinの発現を低下させることを見出した。平成27年度は、このmiRNAの直接の標的を同定するためにRIP (RNA Immunoprecipitation Assay)を行い、網羅的にmRNAを探索した結果、H3K9やH3K27を変化させるヒストン修飾酵素を同定した。更に、これらヒストン修飾酵素のノックアウトマウス作成を行った。以上2年間の研究により、動脈硬化を抑制する新規miRNAの同定に成功した。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
Sci Rep.
巻: 6 ページ: 20027
10.1038/srep20027.