研究課題
高安動脈炎患者96名を対象としたMLX遺伝子の変異が臨床像に及ぼす影響について検討した。続いて、MLX遺伝子の一塩基多型(SNP)がその転写産物である転写因子MLXにおいて引き起こすアミノ酸変異(Q139R)が高安動脈炎の発症に関与しているかどうか、in vitro実験系を用いて検討した。また、高安動脈炎患者の血液検体より末梢血単核細胞(PBMCs)を単離し、細胞内で炎症が誘導されているか検討した。その結果、MLX遺伝子リスクアレル高安動脈炎患者群の方が、対照群と比較して血管病変数もしくは大動脈閉鎖不全の合併を示す症例が有意に多数であった。In vitro実験の結果、MLX-Q139RタンパクはMLX-WTタンパクに比して転写因子MondoAとのヘテロ二量体を容易に形成すること、MLX-Q139RとMondoAの複合体はMLX-WTとMondoAの複合体よりも転写活性が有意に上昇することを見いだした。MLX-Q139Rを導入したヒト大動脈由来平滑筋細胞では、MLX-WTを導入したhASMCsよりも内在性の抗酸化物質阻害因子であると同時にインフラマソーム形成を促進する作用があるTXNIPならびにインフラマソームの主要構成成分NLRP3のタンパク量が有意に増加していた。MLX遺伝子リスクアレルを有する高安動脈炎患者由来のPBMCsをIL-12で刺激すると、インフラマソーム構成タンパクの発現量が有意に増加した。MLX-Q139Rを導入したRAW264.7細胞では、MLX-WTを導入したRAW264.7細胞よりも細胞増殖能、血管内皮細胞への接着能いずれも有意に上昇していた。
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