研究課題
本年度は、①CSLR-Xの発現細胞の同定と発現制御機構の解析 ②心肥大・心不全に病態形成におけるCSLR-Xの機能解析を中心に検討を行った。① CSLR-Xの発現細胞の同定と発現制御機構の解析マウス心筋組織をPercoll密度勾配遠心分離法により心筋組織および非心筋組織に細胞を分離し、それぞれよりRNAを抽出し、qRT-PCRによりCSLR-Xの発現解析を行った結果、心筋細胞、非心筋細胞の両方おいてCSLR-Xの発現を認め、発現の差を認めなかった。② 心肥大・心不全に病態形成におけるCSLR-Xの機能解析CSLR-X遺伝子領域にベクターを置換したCAG-CSLR-X Tg(cis)マウスを作製した。Tgマウスは、野生型と比べ心臓組織及び心機能に関して明らかな表現型を認めなかった。 TgマウスにTACモデルを作製し、術後3週で心エコーにて心機能を解析した結果、Tgマウスは野生型に比べ、心不全病態形成抑制を認めた。近年、non-coding RNAがcis に働いてその近傍の遺伝子の発現制御を認める報告がある。そこで、本来CSLR-Xが存在しない他の染色体にトラップベクターが挿入されたジーントラップマウスラインを用いて、CSLR-X発現ベクターを置換した後(CAG-CSLR-X Tg (trans) マウス)、CSLR-X欠損マウスと交配することにより、CSLR-Xのcis 効果による心肥大・心不全病態形成に及ぼす影響を検討する。現在、CAG-CSLR-X Tg(trans)マウスを作製し、CSLR-X欠損マウスと交配し、準備中である。
2: おおむね順調に進展している
マウスの交配による産仔数が予想よりも少なかったため、実験に必要な匹数が足りず、解析時期に遅れが生じている。今年度の初めには、それらの解析を行う予定である。それ以外については予定通りに進んでいる。
平成27年度については、平成26年度の結果に基づいて研究を進め、当初の計画通りである。主な研究としては、CAG-CSLR-X Tg(trans)マウスの表現型解析、心筋特異的CSLR-X発現マウスの個体作製および表現型解析を行う。またプロテオーム解析により網羅的に同定を行い、CAG-CSLR-Xと相互作用する分子機能解析を行う。さらに、マウスCSLR-X のヒトのホモログの同定を行う。
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