研究課題/領域番号 |
26670410
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
遠山 周吾 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90528192)
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研究分担者 |
藤田 淳 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10306706)
中村 真人 富山大学, その他の研究科, 教授 (90301803)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ヒトiPS細胞 / 心筋細胞 / 3Dプリンター / 内皮細胞 |
研究実績の概要 |
慢性心不全の予後は悪性腫瘍と同等に悪く、重症慢性心不全の根治療法は心臓移植のみである。心臓移植にかわる治療として再生医療が注目されているが、克服すべき課題も多い。iPS細胞の出現により再生心筋細胞の細胞源は確保され、現在残されている最も大きな課題は、残存する未分化幹細胞の除去法の確立および最適な細胞移植法の開発である。残存未分化幹細胞の除去法については既に確立し、報告している。レシピエントの心臓への長期の生着と機能の回復を実現するためには血管構築を備え、心筋細胞の配向性を伴った心筋組織の移植が必要と考えられている。近年、3Dバイオプリンターを用いた3次元の生体組織が注目されている。この3DバイオプリンターによりヒトiPS細胞由来の心筋細胞と血管細胞を用いて心筋組織を再構築し、微小血管構造を持った再生心筋組織を作製することで重症慢性心不全へのiPS細胞を用いた再生医療を促進させることを目的として研究を行った。我々は既にヒトiPS細胞から未分化幹細胞を完全に除去し、高純度の心筋細胞を作製することに成功している。まず初めにそれらの純化心筋細胞を用いて3Dプリンターによる打ち出しを試みたが困難であった。そこで我々は、心筋細胞が配向した心筋組織作りを想定して、網目状の構造物をデザインし、当研究室で開発した3Dプリンターを用いて細胞接着性ゲルのScaffoldを作製し、そこに心筋細胞を播種したところ、配向性をもった心筋細胞の微小組織を作製するが可能であった。今後は、配向性や収縮動態に関する解析を行い、マウス心不全モデルに移植することを考えている。
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