近年の研究により、糖尿病、動脈硬化などのメタボリックシンドロームの中核をなす病態の本体が炎症性疾患であるとの理解が進展した。High Density Lipoprotein(HDL)は動脈硬化において非常に重要な役割を果たしており、その血中濃度は動脈硬化の進展と強い逆相関を示す。われわれはHDLにToll Like Receptor(TLRs)よりの自然炎症およびインフラマソームを介したIL-1の産生を抑制する効果があることを見出した。その分子メカニズムは炎症抑制性転写因子ATF3の転写亢進であることを示した。さらに、HDLの抗動脈硬化作用はATF3を介することを示した。
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