これまでの臓器の酸素分圧の評価方法は、臓器を流れる血液の酸素分圧を測定しており、細胞内の酸素分圧を測定する方法はなかった。我々は、脂溶性の高いりん光プローブを用い、このりん光プローブが全身投与で速やかに腎臓の尿細管の細胞内に取り込まれることを利用し、取り込まれたプローブの半減期の測定により正確に細胞内の酸素分圧を測定する方法を開発し、様々な疾患モデルにおける腎臓の尿細管内酸素分圧の変化を証明した。腎臓の低酸素状態は慢性腎臓病進行の最終共通経路であり、本方法は新規腎臓病治療薬の開発において有用なツールとなる。
|