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2014 年度 実施状況報告書

腎糸球体足細胞(ポドサイト)の培養条件下での高次構造再現の試み

研究課題

研究課題/領域番号 26670431
研究機関京都大学

研究代表者

淺沼 克彦  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60449064)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードポドサイト / スリット膜
研究実績の概要

スリット膜の主要な蛋白であるNephrinに結合する蛋白としてMAGI-2が同定されているが、我々は、MAGI-2のノックアウトマウスを作製した。MAGI-2ノックアウトマウスは、生後24時間以内に死亡するが、死亡原因は腎不全であり、尿の産生がなかった(無尿)。無尿の原因を電子顕微鏡で確認したところ、ポドサイトの足突起間に通常あるはずのスリット膜構造が無く、足突起間の間隙も無くtight junction様に足突起間は接着していた。また、蛍光免疫染色により足突起間には、tight junction関連蛋白である、claudin1と5の局在が認められ、これが無尿の原因と思われた。MAGI-2は、スリット膜関連蛋白であるDendrinとの結合が報告されているが、MAGI-2ノックアウトマウスでは、Dendrinの発現は減少し、一部核へと移行していた。Dendrinの核移行は、ポドサイトのアポトーシスの促進と蛋白分解酵素であるcathepsin Lの発現を上昇させることが知られているが、MAGI-2ノックアウトマウスのポドサイトにおいてCathepsin L の発現の上昇が認められ、MAGI-2の存在はスリット膜の構造維持だけでなく、ポドサイトの生存のためにも重要な役割を担っていると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

MAGI-2ノックアウトマウスの作製に成功し、MAGI-2を足突起家伊勢犬必須な蛋白として同定することができた。
また、MAGI-2の遺伝子配列を使用し、Yeat two hybrid screeningを行い、多くのMAGI-2に結合しうる蛋白を同定し、ポドサイトにおける役割について解析中である。

今後の研究の推進方策

現在、MAGI-2のポドサイト特異的ノックアウトマウスの作製にも成功し、現在そのphenotypeを解析中である。また、MAGI-2の遺伝子配列を使用したYeat two hybrid screeningを行い、同定した多くのMAGI-2に結合しうる蛋白のポドサイトにおける役割を生化学的手法を用い解析中である。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度に購入する予定の抗体があるため。

次年度使用額の使用計画

抗体を購入予定。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Podocin is translocated to cytoplasm in puromycin aminonucleoside nephrosis rats and in poor-prognosis patients with IgA nephropathy2015

    • 著者名/発表者名
      Fukuda H, Hidaka T, Takagi-Akiba M, Ichimura K, Trejo JA, Sasaki Y, Wang J, Sakai T, Asanuma K, Tomino Y.
    • 雑誌名

      Cell Tissue Res.

      巻: 360 ページ: 391-400

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The role of podocyte injury in chronic kidney disease.2015

    • 著者名/発表者名
      Asanuma K.
    • 雑誌名

      Nihon Rinsho Meneki Gakkai Kaishi.

      巻: 38 ページ: 26-36

    • DOI

      10.2177/jsci.38.26.

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] MAGI-2 is critical for the formation and maintenance of the glomerular filtration barrier in mouse kidney.2014

    • 著者名/発表者名
      5. Ihara K, Asanuma K, Fukuda T, Ohwada S, Nishimori K
    • 雑誌名

      Am J Pathol.

      巻: 184 ページ: 2699-708

    • DOI

      10.1016/j.ajpath.2014.06.019.

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-05-27  

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