研究課題
本研究は、家族性プリオン病であるFFIプリオンと孤発性プリオン病である視床型クロイツフェルト・ヤコブ病(MM2T)が同様の感染性を呈するのかを検討するのが目的である。しかも従来からのヒト型プリオン蛋白の正常多型を導入したノックインマウスでは、その感受性が低いことが予想されるため、FFI変異(178N)を導入したノックインマウスに対して同じような感染性を呈するのかを検討する研究である。本年度は、感染実験の準備に費やした。まず、Ki-Hu178N/178Nを十分な個体数用意した。また、感染実験を開始するために接種材料として、十分な凍結脳が存在する、FFI症例とMM2T症例をそれぞれ3例ずつ用意し、ウエスタンブロットでタイプ2の異常プリオン蛋白を確認後、接種実験を開始した。現在は、観察期間中である。また、MM2Tとの比較のための感染実験として、MM2C症例の凍結脳を用意した。頭蓋内投与による感染実験の観察期間としては約2年間の観察期間が必要であるので、さらに感染実験が短縮可能であるかを検討するためにKi-178N/178Nの腹腔内にプリオンを投与し、脾臓の濾胞樹状細胞への沈着の有無で観察期間の短縮化が図れるかどうかも検討中である。これまでのFDCへの沈着の目安として、30日、60日、90日に計画的にFDC沈着が起こるかを観察する予定である。
2: おおむね順調に進展している
本研究は、基本的に長期の観察期間を必要とする感染実験を主体としたものであるので結果がでるまでに時間を必要とする。しかし、一度得られた結果は、覆しようのないゴールデンスタンダードとなるものである。さらに、単なる観察期間を過ごすだけでなく、vCJDプリオンやMM1プリオン、VV2プリオンの感染実験で成功したFDCアッセイも同時進行でおこなっており、より短期間の観察期間での感染実験結果を得るように努力している。
脳内投与においては、観察期間中になすべきことはなく発病まで観察を続ける予定である。FDCアッセイにおいては、接種後30日ごとに脾臓を採取し、ウエスタンブロットで生化学的に異常プリオン蛋白の沈着(感染が成立して)いるのかを検討し、さらに半分の脾臓はホルマリン固定後に免疫染色にて異常型プリオン蛋白の沈着を確認する予定である。この検討は、接種後30日、60日、90日と観察を行い最短観察期間を決定する予定である。
効率的に執行した為である。
感染実験に使用する予定である。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 謝辞記載あり 3件)
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