研究課題/領域番号 |
26670437
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研究機関 | 社会福祉法人浴風会認知症介護研究・研修東京センター |
研究代表者 |
山口 晴保 社会福祉法人浴風会認知症介護研究・研修東京センター, その他部局等, センター長 (00158114)
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研究分担者 |
山口 智晴 群馬医療福祉大学, リハビリテ-ション学部, 准教授 (50641461)
山上 徹也 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (60505816)
亀ヶ谷 忠彦 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (90455949)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知症 / 社会脳 |
研究実績の概要 |
認知症高齢者における他者の意図理解について評価するため、記銘力低下などの交絡要因へ配慮した新たな課題を作成し、アルツハイマー型認知症の進行とともに社会的認知にかかわる課題が難しくなることを示し、論文投稿した(査読中)。 また、社会的認知の視点を医療現場の認知症ケアへ活用する可能性を検討するための調査を実施した。具体的には、二次救急医療機関の急性期病棟に勤務する医療従事者(医師・看護師・薬剤師・リハ職:n=36)の86%が日々の業務で認知症者の対応に「困っている」と回答した。そのため、職員57名に認知症ケアに社会的認知social cognitionの視点を活用するための研修を実施したところ、68%が社会的認知social cognitionの用語を初めて聞いたと回答し、92%がこの視点が臨床業務に役に立つと回答した。社会的認知を認知症ケアに活用する視点は広まっていないため、書籍や雑誌等でそれらの視点についてまとめた。 さらに、高齢運転者における主観的記憶障害と自覚的運転行動との関係を検討する目的で、地域在住高齢運転者172名 (平均年齢72.6±5.5歳,運転歴44.6±10.3年)を対象に主観的記憶障害の有無 (島田らの5つの質問)、客観的認知機能 (タッチパネル式認知機能検査;認知機能バランサー),26項目からなる運転行動に関する自記式アンケートを実施した。その結果、対象者の137名 (79.7%)が主観的記憶障害を有していた。主観的記憶障害の有無で認知機能バランサーの得点に有意差を認めなかった。運転行動アンケートは、主観的記憶障害を有するものは5項目以上の該当者が多く,主観的記憶障害が無いものは該当無しが多かった (p<0.001)。以上より、主観的記憶障害者は運転行動が低下しており、その変化を自覚している可能性が示された。
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