本年度は、機能性ペプチド核酸の脳移行性およびアルツハイマー病モデルマウスにおける効果を検討した。 脳移行ペプチドRVGとCpG-ODNをシステイン部位1か所に特異的にS-S結合を介して結合したRVG-CPGを、正常マウスに経静脈および腹腔内投与し、1日、5日、10日後に、組織標本を作製した。抗RVG抗体を用いて免疫染色を行い、脳移行性を検討したところ、大脳皮質および海馬に集積したことが確かめられた。特に、神経細胞およびミクログリア周囲に集積した。 次にアルツハイマー病モデルマウス(APP/PS1トランスジェニックマウス)に、RVG-CPGを腹腔内投与し、機能性ペプチド核酸による病態改善効果について行動実験(恐怖条件づけ学習試験)、病理学的解析により検討した。行動実験において認知機能の改善が認められ、さらに大脳皮質および海馬のアミロイドベータ蛋白の減少が認められた。 以上のことから、機能性ペプチド核酸RVG-CPGのアルツハイマー病モデルマウスにおける有用性が認められた。
|