研究課題
まず、TILLING法にて作出したGBA欠失メダカの表現型解析を行った。GBA欠失マウスは出生間もなく致死的となり解析が困難であるのに対し、GBA欠失メダカは月単位で生存し、病態の観察が可能であった。GBA欠失メダカは2ヶ月齢で行動異常を示し、5ヶ月齢までに死亡した。メダカを用いた研究では、利用可能な抗体が乏しいことが問題となるが、メダカα-synに対する抗体を作製し、免疫染色にて脳内にα-synが蓄積することを見出した。また、オートファゴソームとリソソームを検出可能な抗体を発見し、これらの異常を免疫組織学的・生化学的に観察した。具体的にはオートファゴソームの軸索への蓄積、カテプシンDの染色性低下とリソソームの形態異常を認めた。さらに、免疫組織染色とin situハイブリダイゼーションにて細胞死とミクログリアの増生を見出した。次に、α-syn欠失メダカをTALENsにて作製し、GBA/α-syn二重欠失メダカを解析したが、結果としてGBA欠失メダカの表現型は変化せず、本モデルにおけるα-syn蓄積の病態への関与は確認できなかった。GBA欠失メダカとGBA/α-syn二重欠失メダカを解析した成果は論文として発表した(Uemura N, et al. PLoS Genetics 2015)。さらに、神経細胞特異的なメダカGAP43プロモーター下にヒトα-syn(WT, A30P, A53T)を発現するトランスジェニックメダカを作製した。それぞれ複数ラインを作製し、α-synの発現量が多いラインを選別し、そのラインそのものの解析に加えて、GBA欠失メダカと交配・解析を行った。しかし、いずれのラインにおいても寿命、ドパミン神経細胞脱落は変化せず、さらにヒトα-syn凝集体形成も認めなかった。以上から、GBA欠失メダカにおけるα-synの病態への関与は明らかでは無かった。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
Movement Disorders
巻: 未定 ページ: 未定
10.1002/mds.26571
PLoS Genet.
巻: 11 ページ: e1005065
10.1371/journal.pgen.1005065. eCollection 2015.
巻: 11 ページ: e1005503
10.1371/journal.pgen.1005503. eCollection 2015 Sep.