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2015 年度 実施状況報告書

血液神経関門を構成するペリサイトを標的とした末梢神経内部環境改変の試み

研究課題

研究課題/領域番号 26670443
研究機関山口大学

研究代表者

神田 隆  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40204797)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードペリサイト / 血液神経関門 / 内皮細胞 / 薬物送達 / 末梢神経障害
研究実績の概要

1.ヒト血液神経関門(blood-nerve barrier, BNB)由来内皮細胞、ペリサイトの単層接着共培養系が世界で初めて完成した。この系により内皮細胞/ペリサイト間のクロストークがよりvivoに近い形で明らかになり、ペリサイトを操作することによるバリアー機能の改変という本課題を達成するうえでの実験基盤が確立した。
2.あわせてペリサイトを活性化する低分子物質のスクリーニングにあたり、ペリサイト活性化のsurrogate markerとしてGDNFを同定した。GDNFをマーカーとして候補低分子物質の選定に着手する準備ができた。低分子物質のスクリーニングにあたっては、小野薬品工業との共同研究が現在準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初困難を極めると考えていたBNBのin vitro細胞モデルが予想より早く完成でき、有効物質のスクリーニングにあたってのアッセイ系が確立できた点が最大の進捗である。当初は膜の上面に内皮細胞、下面にペリサイトを生着させたconventionalなモデルでのアッセイを企画していたが、両細胞が単層で接着した形をとるこの系を用いることで、よりvivoに近いデータをとることができるものと期待される。

今後の研究の推進方策

1.ヒトBNB由来内皮細胞、ペリサイトの単層接着共培養系を用いて、ペリサイトを活性化させる低分子化合物のスクリーニングを行う。具体的には、両細胞が単層で接着した本システムの上面(内皮細胞側)に候補物質を添加し、ペリサイトに発現するGDNFを蛋白及びmRNAレベルで評価する。候補物質は脂溶性の低分子化合物とし、小野薬品株式会社の既存のライブラリから選択する。
2.ペリサイトからGDNFを放出することでBNBを強化する候補物質を複数同定し、この物質が実際にin vivo BNBモデルを透過していることを確認する。更に、同物質によってバリアー機能が強化されていることを(1)電気抵抗測定、(2)デキストラン透過性、の2つのパラメーターで評価する。
3.続いてBNB機能を低下させる生理活性物質のスクリーニングをおこなう。内皮細胞/ペリサイトが単層で接着したシステムの上面(内皮細胞側)に候補物質を添加し、ペリサイトに発現するVEGFを蛋白及びmRNAレベルで評価する。候補物質は脂溶性の低分子化合物とし、小野薬品株式会社の既存のライブラリから選択する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] パネルディスカッション3 末梢神経障害と血流:血流が神経機能に及ぼす影響2015

    • 著者名/発表者名
      神田 隆
    • 学会等名
      第26回日本末梢神経学会学術集会
    • 発表場所
      ホテルブエナビスタ(長野県松本市)
    • 年月日
      2015-09-18 – 2015-09-19
    • 招待講演
  • [学会発表] Cellular properties of pericytes in human blood-brain barrier and blood-nerve barrier.2015

    • 著者名/発表者名
      Takashi Kanda
    • 学会等名
      第38回日本神経科学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-07-28 – 2015-07-31
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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