研究課題
35歳未満発症の2型糖尿病患者に非常に高い寄与度・特異度で見出されるゲノム構造異常について検討している。その中でも100人の35歳未満発症2型糖尿病患者のうち、13人に認められ、100人の正常対照者のうち1人しか認められなかった(オッズ比14)、特に寄与度、特異度の高い4p16.3に焦点をあてた解析を進めた。まずこの異常の発見のきっかけはタイリングアレイやカスタムメイドオリゴヌクレオチドアレイでの結合率低下であった。さらに、前年度PCRマスアレイでも部分的ながら低下は確認された。そこで、本年度はその実態を明らかにするべく、アレイ解析で4p16.3のコピー数に有意な異常が見出された11名と対照4名について、この領域のゲノムシークエンス、および、全エキソームシークエンスを行った。ビッグデータであるため、まだ解析はすべては完了してはいない。これまでのところ、両者の解析において、アレイでの異常検出者に共通する異常は見出されていない。アレイ解析で異常が見出され、シークエンス解析ではその異状が確認できないということは、従来の解析技法では説明のつかないゲノム異常の存在を示唆していると考えられる。このことは、これまでの報告とは桁違いの寄与度特異度の異常を我々が見出していることの理由とも考えられ、大変興味深いものである。引き続きビッグデータ解析を行う一方、シークエンスサンプルの調整段階の詳細な分析などを進めることで、これらの一見矛盾する結果が意味する真のゲノム構造異常の実態解明につなげる。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件)
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