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2014 年度 実施状況報告書

内皮リパーゼ(EL)欠損に起因する高HDL血症の発見とELの生理機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26670450
研究機関大阪大学

研究代表者

山下 静也  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (60243242)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードendothelial lipase / 高HDL血症
研究実績の概要

55歳男性症例で血中HDL-C濃度が140mg/dl程度に著増しており、当初頸動脈エコーで内膜中膜複合体肥厚とプラークを認めた症例である。血中Endothelial Lipase (EL)濃度は32.3pg/ml、EL活性は1.8FL/min/mlと著しく低下しており、EL欠損症が強く疑われた。健常者7例、CETP欠損症7例、EL欠損症疑い本症例1例でHPLCを施行して、それぞれの分画での詳細な解析を行った。EL欠損症疑いのHDL分画におけるコレステロール、Phospholipid (PL)は、CETP欠損症例と同様に、健常人と比べて明らかに増加しており、また粒子サイズが大きな方向にずれていた。また、VLDL-TG分画は健常人やCETP欠損患者の同分画と比較して明らかな低値を示しており、このことはEL欠損のみでは説明しにくい結果であり、何らかのTG代謝異常も伴う可能性があり、遺伝子検索時にTG代謝に関与する遺伝子群も検討することにした。次に高HDL血症での更なるEL欠損症の同定をするためにEL測定ELISAの感度を上げれるかの検討を行った過程で、同一検体でEL mass濃度の再現性が十分に得られないことが判明して、基礎的検討を再度行った。食後は低下すること、抗凝固剤を入れる血漿では血清と比較して有意にEL濃度が上昇する事が分かった他、採血後翌朝まで4度保存した場合や8時間室温放置した場合も有意にEL濃度は低下することが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在、EL mass濃度測定系の再構築を行っている段階であり、EL欠損症疑い症例の遺伝子変異の同定など行われておらず、やや達成度としては遅れているのが現状である。

今後の研究の推進方策

EL濃度測定のための系を確立した後、高HDL血症例のEL低下・欠損症例の同定、家系調査を行い、動脈硬化との関連を解析する。またEL遺伝子変異の同定とともにHDL代謝関連遺伝子についての解析も網羅的に行う。この結果を踏まえてHDL機能や蛋白、脂質の詳細な解析を行う予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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