研究課題
これまでにスフェロイド形成を用いた3次元培養によってマウスES細胞から下垂体前葉細胞への分化誘導方法が須賀らにより報告されており(Suga H et al. Nature 2011;480:57)、その後、私たちは共同研究を立ち上げ、ヒトES細胞、iPS細胞においても同様の方法で分化誘導が可能であることが明らかになった(未発表データ)。しかしながら、ヒトとマウス間の種差は明らかに存在しており、誘導因子の内容、刺激のタイミングなどについての詳細な検討が必要であった。最終的にはこの方法で視床下部ホルモンに反応する機能性下垂体前葉細胞への分化誘導が可能となった。確立した自己組織化を用いた下垂体分化方法は先天性下垂体機能低下症の発生過程におけるin vitroの病態再現に非常に有用であることが明らかになった。本研究において、私たちはこれまでに原因が明らかでコントロールとなるLHX4, GLI2変異症例および原因不明の下垂体形成不全症例から疾患特異的iPS細胞を樹立するとともにヒトiPS細胞から下垂体への分化方法を確立した。さらに原因不明の下垂体形成不全症例から樹立した疾患特異的iPS細胞において、in vitroの下垂体分化を行うと、下垂体前葉分化の鍵となるLHX3発現が著明に低下しその先に現れるACTH産生およびGH産生細胞分化も低下していることが明らかになった。現在エクソーム解析による原因遺伝子の探索とともに病態解明に取り組んでいる。
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