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2014 年度 実施状況報告書

膵β細胞増殖・分化における消化管ホルモンIBCAPの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26670462
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

横尾 友隆  埼玉医科大学, 医学部, 助教 (80400688)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード糖尿病
研究実績の概要

我々はこれまでに、未知の消化管ホルモンを探索し新規消化管特異的分泌タンパク遺伝子Betagenin = IBCAPを同定し、その解析を進めてきた。これまでにBetageninが膵β細胞の増殖刺激作用を持つこと、また、Tg/KOマウスの解析からBetageninが膵ラ氏島の量を決める重要な因子であることを明らかにしており、Betageninを標的とした創薬は糖尿病に対する根源的治療薬となる可能性が期待される。また、Betageninはこれまでに明らかにされている他の消化管ホルモンとは有意な相同性を持たない。
本研究では、このBetageninによる膵β細胞増殖・分化誘導に関わる分子メカニズムを明らかにし、膵臓・膵β細胞再生医療への臨床応用へ向けた分子基盤の解明を目的とした。
今回、Betageninの分泌産物の構造解析を進め、得られた情報から合成ペプチドを作成し、その活性を評価した。その結果、Betagenin合成ペプチドは、in vitroで膵β細胞に対する増殖刺激作用を持ち、さらにインスリン分泌能を促進する作用を併せ持つことが今回、明らかになった。
また、iPS細胞にBetageninを添加すると膵β細胞への分化誘導効率を高めることを見出しており、Betageninは膵β細胞の分化、再生にも有用である可能性が強く示唆された。
以上より、Betageninは膵β細胞増加作用、インスリン分泌促進作用および膵β細胞への分化促進作用と併せて糖尿病に対する根源的治療薬となる可能性が示唆された。今後さらなる検討が必要ではあるが、膵β細胞の移植や再生医療も含め、糖尿病治療への応用が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

活性体ペプチドの解析に成功し、合成ペプチドの効果も期待される結果が出てきているため。

今後の研究の推進方策

H27年度は、この合成ペプチドを用いて、膵β細胞増殖メカニズムの解明を目指して解析を行う。また、iPS細胞から膵β細胞への分化誘導において、Betagenin合成ペプチドの効果や有用性を詳細に検討する。具体的には、iPS細胞あるいは膵前駆細胞からの膵β細胞への分化誘導において、Betageninペプチドをどのタイミングで添加する、あるいは、どのように用いれば最も効率化を図ることが出来るかについて、既存の方法と比較し検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Effect of Betagenin on Pancreatic beta-cell Proliferation and Differentiation2014

    • 著者名/発表者名
      Tomotaka Yokoo, Yizumi Yamashita Sugawara, Kazuhisa Watanabe, Kaoruko Tada Iida, Hiroaki Suzuki, Hitoshi Shimano, Nobuhiro Yamada, Yasushi Okazaki, Hideo Toyoshima
    • 学会等名
      第12回 RCGMフロンティア国際シンポジウム
    • 発表場所
      埼玉医科大学30周年記念講堂(埼玉県日高市)
    • 年月日
      2014-10-31 – 2014-11-01
  • [学会発表] iPS細胞を用いた、新規消化管ホルモンIBCAPが膵β細胞分化に与える影響の検討2014

    • 著者名/発表者名
      菅原 泉、横尾 友隆、渡邊 和寿、飯田 薫子、鈴木 浩明、島野 仁、山田 信博、岡﨑 康司、豊島 秀男
    • 学会等名
      第57回 日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪府大阪市)
    • 年月日
      2014-05-22

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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