申請者はマウス胎仔造血幹細胞ニッチである肝芽細胞から、新規生理活性ペプチドを同定した。それらペプチドは幹細胞の増殖を20%抑制する一方で、幹細胞分画を増加させる事から、stemness維持に関わっている事が示唆された。さらに、生理活性ペプチドを、ヒト造血幹細胞の増幅に応用するための培養法等の検討を行い、サイトカイン、ペプチドを添加した動物性成分不含培地で9日間培養する事で、CD34(+)CD38(-)細胞を55倍増幅させる事に成功した。これら造血幹細胞は、短・長期骨髄再構築能、コロニー形成能を保持していた。この事から、これらペプチドは、ヒト造血幹・前駆細胞の増幅に有効であると考えられた。
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