研究課題
本研究では「マスト細胞は定常状態においても時計遺伝子依存的に自発的かつ概日性にヒスタミン放出を起こしている」という仮説について検証するために以下の実験を行った。野生型マウス及び時計遺伝子Clock変異マウスから骨髄由来培養マスト細胞(BMMCs)を取得し、通常の培養条件下において培地を4時間ごとに回収しヒスタミン、濃度をELISAにて測定した。その結果、マスト細胞は定常条件下でヒスタミンの放出は自律的かつ概日性に行われ、その放出リズムは時計遺伝子Clockに依存していた。続いてこのメカニズムを検討するためにヒスタミンの細胞内外における輸送に関与するOrganic cation transporter (OCT)-3の発現調節について検討した。その結果OCT-3のマスト細胞の発現はClockによって直接的に制御されていること、OCT-3機能を阻害することでヒスタミン放出が抑制されることが明らかになった。さらに定常状態の野生型、マスト細胞欠損、Clock変異マウスから経時的に血漿を採取し、ヒスタミン濃度を計測したところ野生型マウスでは概日性に血漿中のヒスタミン濃度の日内変動が見られ、マスト細胞欠損マウスではその基礎値の減少と日内変動が欠如すること、Clock変異マウスでは日内変動が欠如することが明らかになった。これらの結果から)マスト細胞の時計遺伝子(体内時計)がヒスタミン放出を自発的かつ概日性に行っていることを証明することができた。現在、論文を投稿準備中である。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
J Allergy Clin Immunol
巻: 137 ページ: 1226-1235
10.1016/j.jaci.2015.08.052
J Invest Dermatol
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016/j.jid.2016.01.030
PLoS One
巻: 11 ページ: e0150496
10.1371/journal.pone.0150496
Sci Rep
巻: 5 ページ: 14424
10.1038/srep14424
巻: 135 ページ: 3001-3008
10.1038/jid.2015.316
Dig Dis Sci
巻: 60 ページ: 1876-1877
10.1007/s10620-015-3721-x
Clin Exp Immunol
巻: 181 ページ: 239-243
10.1111/cei.12632
Journal of Neurosurgery
Allergy
巻: 70 ページ: 467-473
10.1111/all.12596
http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical_basic/para0imm/kenkyuu/kenkyuu.php