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2015 年度 実績報告書

新たなエイズウイルス免疫標的分子「リポペプチド」の研究~アカゲザルからヒトへ~

研究課題

研究課題/領域番号 26670483
研究機関京都大学

研究代表者

杉田 昌彦  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80333532)

研究分担者 高折 晃史  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20324626)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード細胞・組織 / ウイルス / 免疫学 / 脂質
研究実績の概要

エイズウイルスNefタンパク質のミリスチン酸修飾を標的とした細胞傷害性T細胞応答について、前年度に引き続き、アカゲザルエイズモデルの詳細な分子機構の解明をもとにヒトへの展開を見出す研究を推進した。まずアカゲザルリポペプチド提示分子LP1を同定し、Nefリポペプチド(C14nef5)を結合した複合体のX線結晶構造を解明することに成功した(Nature Communications, 2016)。その結果、このMHCクラス1アリルにおいては、ミリスチン酸を収納する疎水性でサイズの大きいBポケットが存在することがわかった。また比較的小さなFポケットを有し、ミリスチン酸修飾モチーフを構成するセリンやスレオニンの結合に適した構造を有していることが明らかとなった。さらにAポケットとBポケットの間のチャネルは空間的に塞がれており、MHCクラス1:ペプチド複合体と異なり、Aポケットには抗原がアクセスしないことが見出された。一方、第2のアカゲザルリポペプチド提示分子LP2を同定し、その遺伝子単離ならびにリコンビナントタンパク質の調製を進めた。リポペプチド複合体の結晶化条件の最適化を終え、理研大型放射光施設(SPring8)でのX線結晶構造のデータ収集を完了した。得られた基礎データをもとに、アカゲザルリポペプチド提示分子に共通で、旧来のペプチド提示分子には見られない構造的特質を見いだし、これをもとにヒトリポペプチド提示分子候補の絞り込みを行った。さらに遺伝子の単離あるいは合成を完了し、ヒトリポペプチド提示分子の結晶構造の解明に向けた準備を整えた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Crystal structure of the N-myristoylated lipopeptide-bound MHC class I complex.2016

    • 著者名/発表者名
      Morita D, Yamamoto Y, Mizutani T, Ishikawa T, Suzuki J, Igarashi T, Mori N, Shiina T, Inoko H, Fujita H, Iwai K, Tanaka Y, Mikami B, Sugita M.
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 7 ページ: 10356

    • DOI

      10.1038/ncomms10356

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 脂質免疫:結核菌やエイズウイルスに対抗する新しい獲得免疫システム2015

    • 著者名/発表者名
      杉田昌彦
    • 学会等名
      第89回日本感染症学会学術講演会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2015-04-16 – 2015-04-17
    • 招待講演
  • [備考] 京大ウイルス研・杉田研究室

    • URL

      http://www.virus.kyoto-u.ac.jp/Lab/SugitaLab.html

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公開日: 2017-01-06  

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