川崎病の病因は未だ不明である。我々は、最近、川崎病発病時のCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞(Treg)が極度に減少していることを発見した。一方、従来の研究では、川崎病発病時の30%の患児から市中感染でしばしばみられる病原体が検出される。以上から、川崎病の発病以前に、Tregを減少させる感染症が起こり、さらに川崎病の発症には第2の感染症が関わるとの仮説を持つにいたった。しかしながら、この仮説に基づいて、収集できた発病前あるいは発病直後と考えられる4検体について全DNA/RNA解析を行ったが、いずれについても病原体の確定には至らなかった。
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