研究課題
1)スプライス異常が既知の患者検体(リンパ芽球)7検体と、常染色体劣性遺伝形式が想定される遺伝子に片アレルのみ変異を有している1検体の計8検体において、24遺伝子をターゲットにしたRNAキャプチャーを施行し、得られたライブラリはHiSeq2500の1レーンでシークエンスした。その結果、A)TopHatによるアライメントで、イントロン保持のスプライス異常、エクソンスキッピング異常の両方の異常が検出可能であった。ついで、エクソーム解析で用いられるNord scriptを用いて(Nord et al., BMC Genomics 2011)、エクソン毎のリード数の変化を基にしたエクソンスキップ検出の自動化を試みた。しかし、遺伝子毎に加えて、同じ遺伝子内でのエクソン毎のリードの厚みのばらつきも大きく、エクソンスキップ検出の自動化は困難であった。B)平均のリードDepthは180000リードであるが、32リードしかない遺伝子から100000リードを超える遺伝子まで、遺伝子毎の発現量に極めて大きな差が認められ、病気の場となる組織のRNAを得ることが重要だと考えられた。2)特定の遺伝子変異がもたらすスプライス異常を網羅的に解析するために、逆転写PCR産物にアダプターを付加して、MiSeqでシークエンスした。TopHatあるいはNovoalignでアライメントして、異常スプライス産物の同定およびその発現量の定量化を行った。この解析によって、イントロンの変異よって5塩基の挿入と早期終止コドンの生成が起こり、異常転写産物がナンセンス変異依存性mRNA分解を受けることが明らかとなった。
すべて 2016
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Brain and Development
巻: 38 ページ: 285-292
10.1016/j.braindev.2015.09.011.