研究課題
昨年度までに、コントロールおよびインスリン受容体遺伝子異常症iPS細胞を樹立した。さらに、肝細胞への分化を試みたが成功には至らなかった。一方、iPS細胞を用いたアッセイ系を確立したのちに使用するFoxo1活性調節低分子化合物の同定に関しては、東京大学創薬機構の化合物ライブラリーのうち構造多様性を考慮した約1万化合物においてスクリーニングを行った。約3SDとなる抑制率25%以上の化合物144個、活性化率60%以上の化合物144個をヒット化合物とし、その後細胞毒性がない化合物及びその類縁化合物につき再度スクリーニング作業を行い、目標となる活性化合物4つ、抑制化合物5つを得た。既知のFoxo抑制物質であるAS1842856においては25μMでのFoxo抑制率は37%程であり、当化合物の抑制率は10μMで抑制率が40%以上であり、大幅に抑制率が大きいことが確認された。今後、引き続きiPS細胞からの肝細胞への分化を試みるとともに、脂肪細胞への分化を試み、同定されつつある低分子化合物によるFoxo1標的遺伝子発現への影響を検討する。また、同定されつつある低分子化合物に関しては、理化学研究所、伊藤昭博先生のご協力のもと表面プラズモン共鳴現象(ビアコア)を用いてFoxo1との直接結合を検討し、今後の細胞あるいは動物実験に資する化合物の同定を行う。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 3件)
Cell Metabolism
巻: 24 ページ: 295-310
10.1016/j.cmet.2016.07.009.
医学のあゆみ
巻: 257 ページ: 711-717