母子間相互に細胞が流入して長期に生着していること(microchimerism)や、臓器移植において移植片が非遺伝母由来HLA抗原(NIMA)であればHLA不適合でも生着しやすいことから、母と同系由来の幹細胞であれば良好に生着するという仮説のもと、疾患マウス胎仔への新たな移植治療法の効果を検証した。 具体的にはホモのムコ多糖症マウスを妊娠した仮親に対して、母体にとっては同系であるが胎仔には異系である造血幹細胞を経静脈投与したところ、世界で初めて永続的な生着および骨格改善・寿命延長・生殖能力など画期的な治療効果が確認され、母由来の幹細胞移植の可能性が示された。
|