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2015 年度 実施状況報告書

重層上皮のみに発現する新規の細胞・細胞間接着タンパク質ANKRD35の解析

研究課題

研究課題/領域番号 26670527
研究機関名古屋大学

研究代表者

平子 善章  名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (50377909)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード表皮 / 細胞接着
研究実績の概要

平成27年度に、私たちは以下の研究結果を得た。
1)正常表皮由来の培養細胞であるHaCaT細胞は、通常培養条件下では重層化せず、また発達したTJも形成しない。しかし、JNK阻害剤を加えると2-3層程度に分化/重層化し、TJも形成するようになることが報告されている。このような条件下でANKRD35の発現が誘導されるのかを検討したが、蛍光染色およびウェスタンブロットの結果、ANKRD35タンパク質は発現されないことがわかった。しかし、外因性のANKRD35を安定発現しているHaCaT細胞では、JNK阻害剤の添加によるTJ形成が阻害されることがあきらかとなった。
2)昨年度の研究結果から、ANKRD35の細胞内局在は主にN末端側のアミノ酸配列に依存していることが明らかとなった。今年度の研究により、N末端での脂質付加がANKRD35タンパク質の細胞膜への局在に必要であることが明らかとなった。さらに脂質が付加されるアミノ酸も同定し、アラニン置換によりANKRD35が膜に局在しなくなることも示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

結合タンパク質の同定には至っていないが、脂質付加によるANKRD35タンパク質の細胞膜への局在機構を解明することができた。また、ANKRD35の機能を解析するための実験として、JNK阻害剤の添加によるHaCaT細胞の分化/重層化誘導が有効である可能性を示すことができた。

今後の研究の推進方策

1)JNK阻害剤存在下でANKRD35安定発現HaCaT細胞を観察し、分化や重層化の阻害が起きていないのかを調べる。
2)マウス発生時のANKRD35タンパク質の発現と局在のパターンを調べるため、マウスANKRD35に対する抗体を作製する。
3)ANKRD35の相互作用タンパク質の同定
4)ANKRD35欠失マウス作製のための準備(Crisprコンストラクトの作製)

次年度使用額が生じた理由

相互作用タンパク質を同定できなかったので、同定後のタンパク質間相互作用の検証のために予定していたノックダウン実験などをおこなわかったため。

次年度使用額の使用計画

相互作用タンパク質の同定のための免疫沈降実験、pull-down実験、質量分析用試料作製、および同定後の相互作用検証のためのノックダウン実験などに使用することを計画している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] A case of subepidermal blistering disease with autoantibodies to multiple laminin subunits who developed later autoantibodies to alpha-5 chain of type IV collagen associated with membranous glomerulonephropathy.2015

    • 著者名/発表者名
      Sueki H, Sato Y, Ohtoshi S, Nakada T, Yoshimura A, Tateishi C, Borza DB, Fader W, Ghohestani RF, Hirako Y, Koga H, Ishii N, Tsuchisaka A, Qian H, Li X, Hashimoto T
    • 雑誌名

      Acta Derm Venereol

      巻: 95 ページ: 826-829

    • DOI

      doi: 10.2340/00015555-2059.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Linear IgA/IgG bullous dermatosis reacts with multiple laminins and integrins.2015

    • 著者名/発表者名
      Li X, Tsuchisaka A, Qian H, Teye K, Ishii N, Sogame R, Harada K, Nakagomi D, Shimada S, Tateishi C, Hirako Y, Hashimoto T
    • 雑誌名

      Eur J Dermatol

      巻: 25 ページ: 418-423

    • DOI

      doi: 10.1684/ejd.2015.2555.

    • 査読あり
  • [学会発表] DJM-1 cells deficient in BP180/type XVII collagen exhibit rudiment hemidesmosomes and abnormal pattern of laminin-332 matrix2015

    • 著者名/発表者名
      平子善章、加茂遼太郎、金田みのり
    • 学会等名
      第40回日本研究皮膚科学会
    • 発表場所
      岡山市岡山コンベンションセンター
    • 年月日
      2015-12-11 – 2015-12-13
  • [学会発表] DJM-1細胞を用いたヘミデスモソームの基礎研究2015

    • 著者名/発表者名
      平子善章
    • 学会等名
      第37回水疱症研究会
    • 発表場所
      福島市コラッセ福島
    • 年月日
      2015-09-26 – 2015-09-27
    • 招待講演
  • [学会発表] XVII型コラーゲンの欠失はI型ヘミデスモソーム形成とラミニン332マトリクスの沈着パターンに影響する2015

    • 著者名/発表者名
      平子善章、加茂遼太郎
    • 学会等名
      第47回日本結合組織学会学術大会 
    • 発表場所
      東京都港区コクヨホール
    • 年月日
      2015-05-15 – 2015-05-16

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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