研究課題
本年は、主にイミキモド(Imiquimod)外用尋常性乾癬モデルマウスによる系を作成のうえ、Heat Shock Protein 90(Hsp90)阻害薬の疾患予防効果を見るために、様々なHsp90阻害薬のうち、17-AAG(17-N-allylamino-17-demethoxygeldanamycin)を選定のうえ、臨床データの収集および解析を行った。具体的には、種々の投与間隔、投与回数、濃度や担体を用いて、経皮的、もしくは全身的投与を行い、臨床症状、皮膚炎症改善効果、組織中の炎症細胞浸潤、皮膚・血液・脾臓中の各種サイトカイン等のデータ収集および解析を行った。なお、17-AAGは抗がん剤として用いられている薬剤であるが、投与による明らかな副作用は認めず、ヒトへの応用を検討する際に重要なアドバンテージと考えられる。なお、学会発表として、2014年5月に第113回日本皮膚科学会総会、2014年10月に第23回European Academy of Dermatology and Venereologyにて演題発表を行った。論文発表として、Journal of the American Academy of Dermatology、Archives for Dermatological Research、PLoS ONE、感染・炎症・免疫、Visual Dermatologyに各々1報ずつ報告し、研究成果の意義やその重要性、今後の展望につき啓蒙活動を行った。
3: やや遅れている
前記概要に示した通り、本年度はイミキモド(Imiquimod)外用尋常性乾癬モデルマウスにおけるHsp90阻害薬の効果のデータ収集、解析中であるため、当初予定していたH26年度の研究計画であるアトピー性皮膚炎モデルマウスを用いてHsp90発現の時間空間的変化、至適Hsp90阻害薬の選定やその至適投与法の検討が出来ておらず、達成度としてはやや遅れていると評価している。
今後の研究に関しては、当初の研究計画に沿って進行予定であり、H26年度に予定していたアトピー性皮膚炎モデルマウスへの応用を行いつつ、続いて当初H27年度に実施予定していたHsp90阻害薬全身投与の効果の証明、乾癬・アトピー性皮膚炎マウスモデルに対するHsp90阻害薬皮膚局所投与(経皮・皮下投与)の効果及びその全身投与の効果との比較につき、研究を遂行していく予定である。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
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