HMGB1のもつ骨髄間葉系幹細胞(MSC)血中動員効果およびMSCの持つ抗炎症作用を利用した新たな皮膚炎治療法開発を目的として研究を進めた。具体的には、接触性皮膚炎マウスモデルに対してHMGB1を静脈内投与し、皮膚炎症部位へのMSC集積および抗炎症効果を評価した。その結果、HMGB1投与により接触性皮膚炎病態が著明に改善すること、その作用機序として、炎症部皮膚血管内皮細胞が発現するケモカインSDF-1とMSC表面に発現するSDF-1受容体CXCR4の相互作用によるMSCの皮膚炎特異的集積作用およびHMGB1による間葉系幹細胞表面CXCR4発現増強効果が寄与していることが明らかとなった。
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