研究課題
沖縄西方諸島に集中して発症する、弾性線維腫の原因遺伝子の同定を目的とする。この背部弾性線維腫(弾力線維腫:elastofibroma dorsi)は、中年以降の肩甲骨下部に発症する稀な線維芽細胞系譜の良性腫瘍であるが、その発生例の大部分はフィンランドと沖縄県の一部と長崎県の五島列島に集中する。中でも沖縄本島の西方近傍に位置する粟国島・渡名喜島・渡嘉敷島の出身者が主で、南方系の宮古、八重山地方では発症しない。琉球大学整形外科の長嶺信夫博士等が戦後に、200例以上の症例をこの小諸島出身者において報告しており、これら諸島は2100名程の島人口でもあり、その患者集積度は非常に高い。この背部弾性線維腫の約3割の患者には家族歴があり、1割の患者には両側性の発症が観察されている。即ち、近過去におけるこの諸島への移入者の中での、ビン首効果によるファウンダーエフェクトの強い影響による遺伝子変異の域内への拡散があったと考えられる。この稀な間葉系腫瘍はその疫学的背景より、固有の癌抑制遺伝子のヘテロ接合性の喪失を発症メカニズムとして生じる家族性の腫瘍と考えられる。本研究課題では、この弾性線維腫を疾患モデルとして、ヘテロ接合性の喪失で生じる稀な遺伝性腫瘍や発生段階で生じる母斑症など、連鎖解析などの従来の手法では症例数が乏しく、絞り込みが困難であった稀少疾患の病態解明を、ごく少数の患者の参加のみで原因遺伝子の同定を可能とするアルゴリズムの確立を、全エクソーム解析と比較ゲノムアレーの結果を、腫瘍組織と患者末梢血ゲノムについて差分し、相補的に解釈することで可能とする。
すべて 2015
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