研究課題
平成24-25年度に収集済みの自主臨床試験データ、ベースライン(投薬開始前)/オキシトシン点鼻剤6週間投与後/プラセボ点鼻剤6週間投与後の動画記録54点(3時点 × 高機能自閉スペクトラム症(ASD)当事者18名)から視線・表情を定量分析した。これらの動画は、Autism Diagnostic Observation Schedule (ADOS)を実施中の被験者の反応を記録しており、1点が50-90分ほどである。ADOSではトレーニングを受けて信頼性を確立した実施者が、定められた方法と道具を用いて被験者に問診や働きかけを行った。そしてこの際の被験者の表情や視線が判定出来る角度で動画を記録していた。高い時間解像度で、表情の種類ごとに度合いを出力でき、そして視線についても定量分析出来る複数の種類のソフトウエアを用いて、動画記録から被験者の視線・表情を定量分析した。またこれらの動画の音声記録54点から声色・抑揚の定量分析も行っている。この音声の分析については専門家のスーパーバイズを受けて行っている。その結果、複数の異なる解析ソフトウェアで一貫して、オキシトシン投与によって対人場面での無表情の割合が有意に減少する(p<0.01, Cohen’s d>-1.1)といった結果を得た。この結果は、オキシトシン投与によって表情が豊かになることを示している。現在、さらにデータ解析を進めており、論文投稿を準備中である。
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Brain
巻: Epub ページ: Epub
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Molecular Psychiatry
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