本研究の主目的は、脳機能の下位のレベルに位置する知覚の幼少期の発達が、より高位のレベルにある「こころ」の成長に影響していることを調べることである。そこで、3歳から8歳の健常児と自閉症幼児を対象に,音声の情報処理に関わる,左右脳半球の反応を分析した。その結果、自閉症幼児においては聴覚情報処理のごく初期の段階で、左右半球のシンクロが低下していることを世界で初めて示した。このことは,これまで調べることが困難であった自閉症幼児期の脳内ネットワーク発達の特徴を,幼児でも優しい検査方法で調べる事ができること示した。一方で、それに関連する表現型を明らかになっていない。
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