ヒトの概日時計位相を検出するには時計遺伝子の発現リズムに基づいて位相推定を行う必要があるが、これまでその実現に適した方法は確立されていない。本研究では、まず、私たちが独自に開発してきた位相推定法において測定条件の最適化を行い、従来法よりも測定感度を飛躍的に上昇させることに成功した。次にこの測定系を適用して、従来法では実現が困難な「隠れた概日リズム睡眠障害」の検出を試みた。その結果、社会的生活時刻(特に仕事がある日の起床時刻)に対する時計遺伝子発現位相との時間差を算出することにより、簡便にかつ数日のうちに隠れた概日リズム睡眠障害を検出することが可能となった。
|