本研究は、うつ病の辺縁疾患である月経前不快気分障害(PMDD)患者の質調整生存年(QALY)の喪失と、PMDDに対する薬物療法の費用対効果を調査することを目的とした。PMDD患者のQALYの予測損失は約0.2年と計算された。薬物療法によるQALYの予測改善は、約0.2年と計算された。薬物療法のQALYあたりの費用対効果は823,000円と算出されたことより、薬物療法はPMDDに対して費用対効果が高い治療法であると考えられた。費用対効果受容曲線解析では、QALYあたりの支払意欲が400万円を超える場合はエスシタロプラムが、200万円以下の場合はセルトラリンが、より優れている傾向があった。
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