研究課題/領域番号 |
26670551
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
近藤 隆 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (40143937)
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研究分担者 |
櫻井 宏明 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 教授 (00345571)
趙 慶利 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (90313593)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | TAK1 / 温熱 / アポトーシス |
研究実績の概要 |
TAK1(Transforming growth factor-beta-activated kinase1)はストレスに応答して、抗アポトーシスの作用を有する。 TAK1阻害剤である5Z-7-oxozeaenolの抗癌効果について研究されているが、5Z-7-oxozeaenolと温熱の併用効果についての報告はない。本研究ではMolt-4細胞を用いて、TAK1阻害剤と温熱との併用効果について研究を行った。 Molt-4細胞に5Z-7-oxozeaenolおよび温熱処理の後、PI /Annexin V-FITC染色、細胞数計数およびギムザ染色、細胞内ミトコンドリア膜電位(MMP)の変化、ROS生成、アポトーシス関連蛋白質発現、細胞内カルシウムイオンレベルおよびFasの活性化を検討した。 結果は、5Z-7-oxozeaenolは温熱によるMMPの低下、ROS生成、特にスーパーオキシドの生成を増強することを示した。本薬剤は温熱によるカスパーゼ-3、カスパーゼ-8の活性化およびFas発現を促進し、温熱によるHSP70、p-p38およびp-JNKの発現を抑制した。また、併用による細胞内カルシウムイオン濃度の上昇も認められた。本薬剤は温熱処理によるCHOP発現を促進し、ERストレスとの関連が示された。細胞周期に対する影響を調べたところ、温熱処理にかかわらずG1期停止を誘導した。以上より本薬剤がROS /ミトコンドリア経路を介して温熱によるMolt-4細胞のアポトーシスを増強することを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
TAK1阻害剤である5Z-7-oxozeaenolと温熱の併用効果についてMolt-4細胞を用いて検討したところ、アポトーシスの増強効果を認め、細胞内情報伝達関連分子について調べ、その分子機構の一端が明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
TAK1阻害剤である5Z-7-oxozeaenolと温熱の併用効果についてMolt-4細胞を用いたところ、アポトーシスの増強効果を認め、その分子機構の一端が明らかになった。さらに、より詳細な機構の解明に努めるとともに、接着性ヒト癌細胞を用いて、同様の増強効果があるか検討する。さらに他の物理的ストレスについても調べる。
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