研究課題/領域番号 |
26670559
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
玉利 慶介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30718995)
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研究分担者 |
瀬尾 雄二 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00302000)
礒橋 文明 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00448036)
小川 和彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40253984)
林 和彦 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70718981)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 癌幹細胞 / 放射線治療 / 創薬 / 放射線増感 |
研究実績の概要 |
放射線増感剤は放射線による抗腫瘍効果を高める薬剤である。放射線抵抗性である癌幹細胞を標的とした放射線増感剤を探索するために、予定通りに大阪大学の創薬スクリーニング拠点の連携のもとで研究を進めることができている。 前提として化合物スクリーニングによる放射線増感剤の試みは過去にほとんど報告がなく、平成26年度にはまずスクリーニングに必要な条件設定を最適化することから始めた。まず、子宮頸癌細胞株の癌幹細胞をフローサイトメトリーで回収後、384穴プレートに播種・細胞接着後に化合物を暴露し、放射線照射する群/しない群に分け、細胞生存率の比較を行い、化合物による放射線増感効果を最も検出できるような測定系を確立しようと試みた。具体的には最適な細胞数、細胞播種時の培地の温度、放射線照射までの化合物暴露時間などの最適化を図った。しかしながら、放射線増感効果の差を、測定誤差を超えるほどの安定なシグナルとして検出することは困難を極めた。 上記の条件検討が長引き、当初の研究計画に遅れてきたために、当初の方法を改めた。まず放射線増感剤としてではなく、癌幹細胞に特異的に殺細胞効果を発揮する化合物をスクリーニングし、同定することとした。このような癌幹細胞を標的とした薬剤と放射線を併用すれば癌細胞全体として放射線抵抗性が低下すると考えられる。この方法で、数千の化合物の中から短期間で数個の癌幹細胞に特異的に殺細胞効果のある化合物を見つけることができた。スクリーニングに用いたものは既承認薬からなる化合物ライブラリである。ヒトへの安全性が十分確立している既承認薬から思わぬ癌幹細胞への殺細胞効果を発見し、ドラッグリポジショニングの可能性を開拓できたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に、放射線増感剤探索のための化合物スクリーニングの条件検討と、スクリーニングを行って化合物の同定を行う予定としていたが、予定通りに候補化合物をいくつか同定できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後(今年度)に、同定した化合物が実際に放射線増感効果を持つかを、放射線照射後の細胞生存曲線を求めることで検証する。最も有望な化合物については、腫瘍移植マウスを用いて、生体内でも同様の効果をもつかを検証していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた実験に必要な物品が少し安く購入できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年の研究に引き続き使用する。
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