研究課題/領域番号 |
26670564
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
吉浦 敬 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40322747)
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研究分担者 |
樋渡 昭雄 九州大学, 大学病院, 助教 (30444855)
栂尾 理 九州大学, 大学病院, 助教 (10452749)
山下 孝二 九州大学, 大学病院, 助教 (80546565)
馬場 眞吾 九州大学, 大学病院, 助教 (80380450)
磯田 拓郎 九州大学, 大学病院, 助教 (90452747)
大八木 保政 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (30301336)
熊澤 誠志 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50363354)
本田 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイド / MRI / PET |
研究実績の概要 |
1.ヒトの脳での撮影法および解析法の開発 PET/MRIでのアミロイド測定法を確立する目的で、(1)頭蓋骨の集積測定への影響の検討、(2)患者における脳アミロイド沈着評価の検討を行った。 (1)頭蓋骨の集積測定への影響の検討:PET/MRIによる脳内の集積の測定における骨の影響を評価するために、脳の三次元脳ファントムに骨等価物質であるK2HPO4を付加した状態と付加しない状態で、PET/CTとPET/MRIを撮影した。その結果、PET/CTでは骨等価物質を付加した場合では、付加しない場合に比べ、特に小脳(-12.3%)および皮質(-7.2%)でSUVが大きく低下する傾向がみられた。患者を用いた検討も行い、脳内の種々の部位でのSUVを、PET/CTとPET/MRIで比較した。その結果、PET/MRIでの測定では、PET/CTに比べ、特に小脳で顕著(-30.1%)であった。以上から、PET/MRIでの評価では注意が必要と結論された。(2)患者における脳アミロイド沈着評価の検討:15名の物忘れを主訴とする患者を対象に、PET/CTとPET/MRの両者を使って、11C-PIBによるアミロイドのイメージングを行った。アミロイド沈着の有無の視覚的評価、脳内各部位でのSUVと小脳を基準としたSUV相対値(SUVr)を、PET/CTとPET/MRの間で比較した。その結果、アミロイド沈着の有無の視覚的評価については、両者で一致していた。SUVはPET/CTに比べPET/MRで全体に低くなり、特に皮質や小脳でその傾向が強くみられた。SUVrはPET/MRで高くなった。以上から、アミロイドの評価をSUVrに基づいて行うときは、PET/MR独自の基準が必要でああると結論された。 2.ファントムを用いたin vitro測定法の確立 PET/MRI装置でのCESTイメージングの撮影法を現在検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PET/MRI装置でのヒトの脳でのPETアミロイドイメージング撮影法と解析法に関しての検討を進め、基礎的なデータを得ることができた。 一方、ファントムを用いたin vitro測定法の検討では、PET/MRI装置でのCESTイメージングの撮影法を調整中である。
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今後の研究の推進方策 |
ファントムを用いてアミロイドCESTイメージングのin vitroでの測定法の確立を行う。確立された撮影法でアミロイドPETイメージングと同時にアミロイドCESTイメージングを実施し、両者の画像の比較検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
日程が調整がうまくいかず、学会に参加できなかったため、旅費の支出がやや少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度で完成できなかったPET/MRI装置でのCESTイメージングの撮影法の開発を平成27年度に加速するため、その経費に割り当てる予定である。
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