我々は従来から継続研究しているキュリー点で発熱が自動停止する感温性磁性体を用い,各キュリー温度に対応した融点を持つ薬剤封入基剤に含有させた多段階温度設定薬剤含有磁性体の開発を目的として当該研究期間で以下の成果を得た. 43℃,44℃,45℃の融点に対応する基剤にPTX,DTXは混入可能であり,各キュリー点を有する感温性磁性体を混合した結果,30分の磁場印可自動定温加温により各キュリー点で基剤の溶解が確認できた.また細胞培養実験において,感温性磁性体による自動定温加温と基剤放出PTX, DTX同等量との併用でも,磁場印可自動定温加温により各キュリー点で同様の温熱増感作用と抗腫瘍効果が確認できた.
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