3種の抗原を対象に、それぞれに対して特異的な反応性を示すCD4陽性T細胞クローンを樹立し、iPS細胞へと初期化させた。既存の分化誘導技術を適用してもCD4陽性T細胞への分化に困難を極めたが、遺伝子改変技術を用いることにより、HLAクラスII拘束性に標的抗原を特異的に認識するCD4陽性再分化T細胞を誘導することに成功した。具体的には同細胞は、抗原特異的に増殖応答とサイトカイン産生を示すのみならず、樹状細胞を成熟させることによって、抗原特異的細胞傷害性CD8T細胞を誘導する能力を示した。これらの細胞が示すアジュバント作用は、抗原特異的I型ヘルパーCD4T細胞が示すそれと類似していた。
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