プロテアソーム阻害によりユビキチン(Ub)化タンパク質は微小管に沿ってMTOCへ輸送されアグリソームを形成する。この輸送の「足場」となる微小管に着目し,転移性乳癌細胞株を用いて微小管重合阻害剤ビノレルビン(VNR)および脱重合阻害剤パクリタキセル(PTX)とボルテゾミブ(BZ)との併用効果を検討した。BZ+VNRはBZ+PTXに比べて効率的にアグリソーム形成を阻害し,かつ,ERストレス負荷を介したアポトーシスが増強した。さらに,ここにオートファジー阻害活性を有するアジスロマイシンを加えることでERストレス負荷と細胞死が著しく増強し,ERストレス負荷を介した新規治療法の可能性が提唱された。
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