今後の研究の推進方策 |
当初、マウスin vivoモデルを用いて、無処置群、皮下埋め込み浸透圧ポンプを用いたアルドステロン持続投与群、Dextran Sulfate Sodium(DSS)投与群、アルドステロン持続投与+DSS投与群の4群を設定し、至適ナトリウム環境達成のための条件確認、アルドステロン持続投与+DSS投与群における条件設定、4群間の小腸炎・大腸炎の評価、DNAを用いた生菌腸内細菌叢の解析、小腸・大腸上皮における抗菌タンパクmRNAの発現、消化管および脾リンパ球におけるTh17細胞の解析(フローサイトメトリーとmRNA発現の検討)を行う予定であった。平成27年度は、研究員確保により当初のin vitroモデルの実現を図るとともに、それが達成できない場合もあえて想定しin vitroにおける検討もあわせて行う。このことは、研究の効率化を図るという観点からは、むしろプラスに働くことが十分予想される。 すなわち、腸内環境に類似した嫌気培養システムを検討するとともに、腸内細菌に対するNaCl濃度の影響を、当初の予定通り細菌DNAを用いた解析法(Terminal restriction fragment length polymorphism (T-RFLP)による解析)により検討する。その際には、培養液の組成や調整法を十分に検討する必要が生じるが、Mollyらの方法(alrabinogalactan, pectin, xylan, starch, glucose, yeast extract, proteose pepton, mucin, cysteine, 10種のtrace element, 8種のvitamin)を基本とし、脱気冷却による酸素分圧の低下を図るなどの工夫を行う。
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