研究課題
インドシアニングリーン(ICG)含有のリポソーム(LP-ICG-C18)をプローブとして利用し、近赤外光新規イメージングについて検討を行った。ICGの親水基の一つを疎水性の側鎖に置換しICG-C18を作製、さらにリポソーム化したLP-ICG-C18をプローベとして用いた。大腿皮下腫瘍、また腹膜播種モデルとしてBalb/c nu/nuマウスを用いた。1×106個のKATOIIIないしMKN45細胞を大腿皮下、もしくは腹腔内に投与、2週間後にに100μlのLP-ICG-C18を尾静脈より静注した。いずれも24時間後にIVIS imaging systemを用いて撮像、さらに開腹後near-infrared fluorescence imaging systemにて腹膜播種へのLP-ICG-C18の取り込みを確認した。マウスより採取した腹膜播種を全身麻酔下、豚腹腔内に散布し、通常光および近赤外光でimagin systemを用いて観察を行った。マウス皮下腫瘍モデルにおいてLP-ICG-C18の腫瘍への特異的な取り込みを確認した。細網内皮系への取り込みは腫瘍に比し軽微であった。マウス腹膜播種モデルにおいてIVISによる開腹前の腹膜播種の同定が可能であった。さらにnear-infrared fluorescence imaging system を用いることで1mm程度の微小な腹膜播種も同定が可能であった。また豚モデルを用いた審査腹腔鏡において腫瘍の同定が極めて容易になることが確認された。ICGラベル化抗Her2抗体(Her2-LPICG-C18)を作製し、胃癌ヒト細胞株マウス皮下腫瘍の薄切切片での抗原抗体反応の確認を行った。薄切切片上での抗原抗体反応が極めて弱く何らかの変更を要すると考えられた。その為、新たにICG内包有機ナノシリカ粒子(ICG-QD)を作製、さらにHer2抗体にて修飾を行った(Her2-ICG-QD)。薄切切片上での観察ではHer2-LP-ICG-C18に比しHer2-ICG-QDから得られるシグナルは強力であった。マウスモデルにおいてもHer2-ICG-QD投与群ではICG-QD群と異なり腫瘍へのシグナルの集積が確認された。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Anticancer Res.
巻: 35 ページ: 1363-1359
PLoS One.
巻: 10 ページ: -
10.1371/journal.pone.0122849.