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2014 年度 実施状況報告書

1型糖尿病の根治を目指した新規膵β細胞誘導物質の同定と創薬展開

研究課題

研究課題/領域番号 26670603
研究機関大阪大学

研究代表者

坂井 大介  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (10621071)

研究分担者 石井 秀始  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授(常勤) (10280736)
今野 雅允  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (80618207)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード再生医学 / 糖尿病 / 発生・分化
研究実績の概要

現在までにインスリン分泌細胞の分化誘導に関する研究は異なる細胞種、方法を用いて多数報告されている。現時点で最高の分化誘導法として考えられている 4step 分化誘導法(ActivinA, Wnt3A, FGF10,KAAD-CYC 等を用いた誘導法) は確かに ES細胞や iPS 細胞をインスリン産生細胞へ誘導することは可能であるが、誘導効率が低いことや分化誘導に時間がかかること(約 1 ヶ月)などまだまだ改善点が多数存在する。これらの問題点を回避するために我々は新たな膵臓β細胞の分化誘導系の開発に取り組むこととした。我々は比較的危険が少ない状態で多量に採取出来る脂肪組織由来間葉系幹細胞を Min6(マウス由来のインスリノーマ細胞株)の培養上清で培養することによりたった 3 日でインスリン陽性細胞を作成することに成功している(論文投稿中)。しかしながらこれほど強くインスリン陽性細胞を誘導する成分は未だ未知であり、その解明は糖尿病の新たな細胞療法にとって重要な課題である。そこで、Min6 細胞に含まれる強力な未知のインスリン産生細胞誘導物質を同定し、試験管内(マウス細胞、ヒト細胞)、及び将来臨床応用につなげる小動物実験によるインスリン産生細胞の誘導法の確立、さらに製剤化へ向けた PMDA コンサルトまで繋げることを目的とし研究を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Min6培養上清に含まれる膵β細胞誘導物資の同定に向けた検討は概ね順調に進んでいる。Min6 の培養上清からエキソソームを抽出し、エキソソーム内に含まれる核酸を次世代シークエンサーによりシークエンスした。シークエンスの結果培養上清中に多く含まれる核酸を同定し、得られた核酸を様々な組み合わせで脂肪組織由来間葉系幹細胞に添加し培養することで効果的に膵β細胞を誘導する最適な組み合わせの検討を行った。 その結果数種類の核酸の組み合わせにとりβ細胞への分化誘導効果が見られることが明らかとなった。またこれらの核酸を用いて誘導した膵β細胞の機能を検討するため、誘導した細胞を糖尿病モデルマウス(Akitaマウス)腎皮膜下に移植して、血糖値測定により糖尿病改善効果を調た。結果として血糖値改善効果が見られているが、次年度以降はより良いβ細胞誘導法の確立を目指す予定である。

今後の研究の推進方策

平成 26 年度に同定した核酸を様々な組み合わせやタイムポイントで糖尿病マウスの脂肪組織または尾静脈に導入し糖尿病の改善効果を確認する。糖尿病モデルマウスは STZ 処理により糖尿病化したマウス、 ob/ob マウス(糖尿病自然発症マウス)、Akitaマウスを用いる予定である。血糖値測定により糖尿病改善効果を調べ、脂肪組織の組織切片を作製することで分化率、遺伝子発現、インスリン分泌能を比較検討する予定である。さらに、マウスにグルコースを経口投与し、血糖値及びインスリン量の変化によりグルコース応答性を調べ、生体内における機能を比較検討する。 また、ヒト細胞での効果確認のためにヒト組織由来間葉系幹細胞(手術検体より入手)の培養上清中に同定した物質を添加することによりヒトでの膵β細胞誘導効果を検討する。 動物実験及びヒト細胞での効果確認が終了次第、革新的糖尿病根治薬の開発を目指して PMDA へコンサルトに行き創薬を目指す予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Safety and pharmacokinetics of S-1 in a recurrent colon cancer patient with chronic myeloid leukemia treated with dasatinib: A case report.2014

    • 著者名/発表者名
      Sueda T.,Kudo T., Sakai D., Uemura M., Nishimura J., Hata T., Takemasa I., Mizushima T., Yamamoto H., Ezoe S., Matsumoto K., Doki Y., Mori M., Satoh T.
    • 雑誌名

      Cancer Chemother Pharmacol.

      巻: 74 ページ: 1321-1324

    • DOI

      10.1007/s00280-014-2620-8.

    • 査読あり

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公開日: 2016-05-27  

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