研究成果の概要 |
microRNAは癌研究の分野で近年注目されており、その制御異常が癌関連分子の発現異常を引き起こすことが知られている。当教室ではmiR-200c, 302, 369の3つのmiRが、iPS細胞に代表される細胞の若返りを誘導し、癌細胞では悪性度を低下させることを報告した。本研究では大腸腫瘍自然発生マウスを用いて、腫瘍が発生する途中の段階で上記miRを投与すると、腫瘍の発生数が抑制された。また、また大腸粘膜において細胞死に関与するp53遺伝子を誘導するMAF遺伝子の発現が増加していた。家族性大腸腺腫症の患者へのこのmiRの導入によって腫瘍発生が抑制される可能性があり今後の治療への応用が期待される。
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