研究課題/領域番号 |
26670609
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター) |
研究代表者 |
二渡 信江 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 外科, 医長 (40306600)
|
研究分担者 |
福山 隆 北里大学, 北里大学メディカルセンター, 上級研究員 (10462251)
山崎 等 北里大学, 北里大学メディカルセンター, 教授 (20191273)
高橋 禎人 北里大学, 医学部, 講師 (80245406)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 胃癌 / 早期胃癌 / 癌/精巣抗原 / KK-LC-1 / Helicobacter pylori / メチル化 |
研究実績の概要 |
Kita-kyushu lung cancer antigen-1 (KK-LC-1)は癌/精巣抗原(CTA)様の発現パターンを呈しているが肺癌以外での報告はない。申請者らは胃癌におけるKK-LC-1の予備的検討を実施し、8割以上の高頻度発現を観察した。同発現頻度は本邦の胃癌患者のHelicobacter pylori (H. pylori) 感染率とほぼ同値であった。このことからH. pylori感染がKK-LC-1の誘導体であるという仮説を立てた。本申請研究は癌抗原KK-LC-1が癌/精巣抗原であることを証明し、その発現がH. pylori感染によって誘導されていることを明らかにする。KK-LC-1に関するepigenetic alteration解析を行い、その発現機序について解明する。さらに、臨床癌におけるKK-LC-1の抗原としての有用性についても検討する。 KK-LC-1は、胃癌で81.6%の発現率を呈していた(Anticancer res 2015;35:3575-3580)。KK-LC-1陽性胃癌患者では血中H. pylori抗体価が有意に高値であった(In Vivo 2017; 31; 403-407)。KK-LC-1陰性胃癌細胞株AGSに対してH. pyloriを接種したが、KK-LC-1の発現誘導は認められなかった。5-Azacytidineを用いてもKK-LC-1の発現亢進は認められなかった。KK-LC-1と胃癌の臨床病理学的因子で比較をしたところ、早期癌高頻度発現を認めており、他のCTA及び腫瘍マーカーとは異なる発現パターンであった。 以上の結果から、KK-LC-1はCTAであり、早期癌から発現し、H. pylori感染が関与していることが明らかになった。しかしながら、その発現機序はH. pyloriによる低メチル化は関係ないことが明らかになった。
|