膵臓がんではKRASの突然変異は発がん過程の初期に生じるゲノム異常である。この分子遺伝学的な特徴を利用して、血漿中がん由来遊離DNAを研究試料に、Droplet digital PCR(ddPCR)を用いて、KRAS変異と野生型を同時に検出するKRAS 5-plex ddPCR assay系を構築した。259例の血漿(0.25 mL)を研究試料とし、KRAS変異の検出率と臨床・病理学的な因子との関連性について検討を行った。KRAS変異の検出率は臨床病期が進むにつれて上昇し、特に遠隔転移を有する患者においては約60%でKRAS変異を検出した。早期診断にはさらなる研究開発が必要と考えられる。
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